本としおりとスローライフ

麻倉葉のようにさっさとシャーマンキングになってラクに生きる、そんな生き方に共感する。スローライフを目指します。

「仕事に楽しいも辛いも感じてはいけないが、」by壇蜜

 

これは壇蜜さんの「壇蜜日記」にあった一節。

 

 

最近は「好き」や「楽しい」を仕事にするのが良いみたいな風潮がある。

そうでないと不幸だ、みたいな。

そんな思想へのカウンターパンチになる考え方。

 

 

また、楽しいだけでなく、ツライと感じるのも間違っている。

それが壇蜜さんの考え方のよう。

過度のストレスになる仕事は、仕事ではない。

 

 

詳しい説明がされているわけではないのが、言葉について考えさせられる。

短いですが、良い言葉。

 

 

この日はこの一節から始まる一文のみで終わっている。

それもオシャレですね。

 

 

日記を読んでいて、ふいにこういう意味深な言葉が出てくるからそれがまた面白い。

日記文学って面白いですね。

 

 

 

 

 

 

「頭のよさというのはつまり、行動能力だ。」

 

これは江國香織さん著「東京タワー」からの一文です。

最初の方でいきなりこの文章にぶち当たって衝撃を受けた覚えがあります。

 

 

「頭の良さ」と聞くと、知識の量をまず最初に想像しがち。

雑学をたくさん知っているのは頭が良さそうに見える。

 

 

ただ、それで行動しなかったら意味がない。

行動がまず優先順位の一番上にあり、それを手助け・促すために知識だったら取り入れるべき。

しかもこれを大学生の登場キャラクターが言っている辺り恐れ入りますね。

 

 

この小説は他にも色々な名言が出てくる。

江國香織さんの小説の中でも「東京タワー」は使った付箋の数の多さは随一です。

 

 

それでいて少しもくどくない。

それどころか雰囲気が良いまである。

いい小説です。

 

 

 

 

 

 

 

「強さは無心に限ります」長友のおばあちゃんの手紙が一番泣けた件

 

長友佑都選手の半生が描かれている

長友佑都選手・著「上昇思考」

 

上昇思考 幸せを感じるために大切なこと (角川書店単行本)


衝撃のインテル移籍
外国で猛者たちに揉まれて心身ともに成長した
長友選手を見ていれば、いかに自信を得たかも分かる

 


明治大学で太鼓を叩いていた頃からの成り上がり
もちろんそんなシンデレラストーリーも胸を打つものがある

 


ただ個人的に最も胸を打たれたのは、

おばあちゃんの手紙でした
その中から少し紹介したい

 


「強さは無心に限ります」という言葉

 


この言葉がさらっと登場して、
詳しい説明がないまま次に進んでしまう

 


どういうことなのか?と考えるしかない

 

 

「無心」と聞くと冷酷なイメージを受ける
心が無い
人として心を無くすことが良いことなのか
すぐには同意しかねる言葉

 


それを孫に向けた手紙の中で記している
もしかしたら相手が間違った意味として解釈してしまう危険性もある
しかし、それでもあえて詳しく説明せずに「無心」という言葉を使った

 


それは相手がその意味を考えて答えにたどり着くだろう
そんな信頼が窺える

 


この本を読んでそういえば自分もおばあちゃんから手紙をもらった
そのことを思い出して久々に整理した

 


ということでおばあちゃんの手紙に最も感動しました
長友選手には悪いけどね
それだけ言葉の重さの違いが現れているという証拠ですね

 

 

 

 

 

 

 

まさかの〇〇エンド!「秒速5センチメートル(小説版)」感想


これは小説版の「秒速5センチメートル」の感想です
※アニメ映画版、小説版のネタバレがあるのでご注意ください

 

 

最初はアニメ映画を見ました
そうしたらそれが傑作だった

 


新海誠さんの作品はこれが一番最初だった
つまり、「新海誠=秒速」のイメージがここで最初に作られました

 

 

いわゆるバッドエンド
まあ、人生の途中経過なのにエンドと評するのはおかしいですが
少なくとも映画としてはバッドエンド

 


2人は一緒になるものと思われていた
しかし、実際にはそうならなかった

 

 

2人が離れ離れになって以降、
2人の人生が再び交錯することはなかったのです

 

 

アニメ映画では特に主人公くんの人生が荒れ模様に描かれている
恋愛もうまくいっていないよう
仕事もうまくいっていないよう

 


そして、最終的には幼馴染みのヒロインとも一緒にはならなかった
下降気味だった主人公くんの人生でしたが、
それでもって決定打が打たれた
「バッドエンド」という烙印を押されました

 

 

ここまではアニメ映画のお話でした
個人的には、バッドエンドだからこそこの映画が心に深く突き刺さった

 


ハッピーエンドで終わるものだと思っていた
いつ事態が好転するのだろう?と思っていたら終わってしまった

 

 

主人公くんの人生と彼本人と一緒にずっと追ってきたので、
彼に深く共感してしまう
何もかもうまくいかなかった
そんな印象を受けました

 

 

正直な話、見終わってから一週間くらい凹みました
それくらい深く心に根を張った

 

 

それからしばらくして小説版の話を聞きつけた
そうして読んでみたら、
あれ?主人公くん意外とちゃんとしてる

 


映画の中で彼が仕事を辞めたような描写はされていた
ただ、詳細までは描かれていない

 


小説版では詳しいところまで描かれていて、
主人公くんが独立してやっていく意志を示しています

 

 

てっきり「クビになった」「疲れて自分から辞めた」
そんな想像をしていましたが、
実際には彼が会社を去ることを周囲の人が惜しんでいた

 

 

なんだ順風満帆だったんだ!
ホッとしたと同時に、
心配して損した!

 

 

まあ、恋愛の観点からしたらバッドなエンドかもしれない
ただ、人生という点では、むしろ前向きで上向いているようにさえ見える

 

 

まさかのハッピー(ふうな)エンド

 


また、コミック版の方では一番最後に、
コスモナウトで登場した褐色ちゃんが登場して_

 


そんなこともあって、
全然バッドエンドではなかった
むしろ、上向きエンドで且つもっとハッピーなエンドが用意されているかもしれない

 

 

まあ、アニメ映画はバッドエンドだったから、
他ではハッピーエンドの可能性を残しておいたのか分かりません
それはそれで救いがあって良かったのかもしれません

 

 

正直、小説版がハッピーで落胆した覚えがあります

ただ、今になって思うと、ハッピーとバッドの2通りの解釈を公式で出していることを好意的に受け止めることができるようになりました

 

 

小説版が気になる方は読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

ただ、後遺症というか

 

 

小説版を読んだのがアニメ映画を見たずっとあとだったので、
いまだに「新海誠=バッドエンド」のイメージがこびりついて拭い落とせないのが現実なんですけどね(笑)

 

 

まあ、それはご愛敬

 

 

 

 

 

「大目標は価値観」「小目標は時間で区切る」一瞬ですぐやる人に変わる本(吉田たかよし)感想

「行動力をつけたい!」

 


そう思って、行動を促してくれる系の本を読もうとしました
そうして選んだのがこの本

 


「一瞬ですぐやる人に変わる本」(吉田たかよし

 


医学博士
心療内科として脳機能を専門とされている
そんな人の行動力の本ということで信ぴょう性を察知しました

 

 

色々なやり方を紹介されていたけど、
個人的にはこのやり方が気になった

 

 

「大目標」「中目標」「小目標」

・大目標
・中目標
・小目標

 


これらを1つのセットとして考える

 


この大目標、中目標、小目標の考え方は以前から知っていた
ただ、この本の目標の立て方の論理が納得のいくものでした

 

 

大目標

まずは大目標
大目標の定め方は、
その目標をイメージするとワクワクするものであること

 

 

自分はどのような状態になりたいのか
心の底からなりたいものであれば、
その状態を想像したときにワクワクしてくるはず
他の言葉で言うなら、それは自分の価値観
それを大目標として据える

 

 

小目標

小目標は、時間に区切って目標を立てる
1時間ごとだったり30分ごとだったり、

出来る限り細かく区切っていく

 


「大目標を達成するために今できることは何か」
それをノートにリストアップするのが小目標
そして、できたかできなかったか〇×を付けていく

 

 

中目標

中目標は頻繁に変えていい
大目標がしっかりしている限りはどんどん変えていくべき

 

 

まとめ

この目標の立て方はかなり参考になりました

 


今まで大目標と小目標を立ててきたけど、

自分の目標の立て方は間違っていたことが分かりました

 


自分の以前の大目標は、ここで言うところの中目標だった

ワクワクするくらい、価値観に触れるくらいのものでなくてはいけなかった

 


さらに自分の以前の小目標は1日ごとの目標だったけど、
本当は1時間くらいに区切らなくてはいけなかったのだな、と反省しました

 

 

ということで、たいへん参考になりました

取返しのつくうちにこの本に出会うことができて良かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かんたんな【価値観の見つけ方】は、本を読んで「ワクワクするかどうか」

 

どんな本を読んでワクワクするか
それで自分に合った価値観が分かるらしい

 

 


ニートの歩き方

 

行ってしまえばパソコン一つで自由に暮らしている
そんな生活は、なぜかは知りませんが、ワクワクさせられる

 

 

お金を持ち寄って何人かで同じ部屋でテーブルを囲い、
それぞれが自分のやりたいことをしたり
一緒に同じゲームを永遠に遊んで楽しんだり

 


多くを望まなければそういう生活もできる
インターネットのおかげでゆるいつながりができるようになった

 

 

いきなりこういう生活をするのは無理でも
疲れたら一時的にでもこういう生活も選択肢の一つとしてある
それが希望につながる
それでまた何か違うことがやりたくなったら違うことをすればいい

 


そうやって色々なライフスタイルを経験できるのは良いこと
一つの生き方しかできないのはそれはそれで狭い価値観の生き方

 

 

こういう生活の体験談を聞いているだけでも面白い
それに加えて個人的にはワクワクする

 

 

 

 

ブログ飯


誰もが馴染みのあるブログ
だいたいの人が自分の日常を書くというイメージを持っている

 

 

ただ、そうやって自分の思っていることを書くことで、
それが他人の役に立ったり他人にとってエンタメになったり
そしてさらには仕事とすることができる

 

 

集団ではなく個人としての方が自分の能力を発揮しやすい人
そういう人にとってはこういうブログ飯的な生き方は合っているのかも

 

 

とはいえ、そこにたどり着くためには苦労も多いでしょう
実際にできている人は多くない
だからこそ初速でできる限り努力・工夫する必要がある

 


それこそ他人とは違う価値を自分につける必要がある
誰もができるけど、誰もがやっていないこと
この場合はアウトプットの量とか

 

 

他人が、
酒を飲んで、
youtubeを見て、
友達と駄弁っている間も、
自分はアウトプットをし続ける

 

 

それは一見してハードモードな人生
ただ、性分が合っている人にとっては天国
技術的には実現可能な世界にはなってはいるので

 

 

 

 

 


真昼なのに昏い部屋

 

江國香織さんの小説
諸国を旅してきたアメリカ人のジェームズさんが最終的に日本に落ち着いた
そして人妻さんに恋をするという物語

 

 

まあ、倫理的なことは置いておいて
ジェームズさんの目から見た世界が美しい

 


外国人だからこそ気づく日本語の美しさだったり
心の底から人生を楽しんでいる感じ

 

 

自分自身の基準を持っている
その基準は他人とは違うかもしれない

でも別にそれは外国人だから持って許されるものではない

 

 

外見が違うから価値観も違うのではなくて、
外見が似ていても価値観が同じでなくても許される

 

 

とにもかくにも雰囲気の良い作品です

それこそが江國香織さんらしい小説

不倫ものだけど、雰囲気がすこぶるいい

 

 


自分にとっては当たり前に見えているこの世界を、

もじジェームズさんが見たらどう思うか?

ということを意識したいですね

 

 

 

 

 

 

自分の発明かと思ったら、江國香織さんがすでに書いてた。

 

普段の日常生活を生きているのに疲れた

他人と接するのが苦痛に感じる

 

 

そんなときは、

「人ではなく物に意識を向ける」

そうやって考えようとしていた

 

 

この世界で人間はオマケみたいなもの

物こそが人間よりも尊い存在

そんなふうに考えるようにしていた

発表会のときの「観客をカボチャだと思え」に似ている

 

 

そうやって意識的に他人と距離を置こうと努めていました

 

 

そんなあるとき江國香織さんの小説

「抱擁、あるいはライスのは塩を」を読んでいたときのこと

 

 

「人ではなく物に意識を集中しようとした」という表現が出てきた

しかも序盤も序盤に

 

 

とても驚きました

 

 

自分の中ではその表現は「伝家の宝刀」的なものだった

いざとなったら使うときの「奥の手」「必殺技」みたいな位置づけだった

ただ、そんな秘奥義を小説の序盤でサラッと表現されている

 

 

「驚いた」

その次に感じたのは「この考え方は正解だったんだ」ということでした

 

 

まあ、これが本当に正解の考え方かどうかは分かりません

「観客をカボチャだと思え」というアドバイスをすることが、教育上良いことなのかは分からない

 

 

ただ、自分と同じようなことを思っている人がいるんだなあ、と思える

安っぽい言葉で言うと、共感できる

そうやって自分がなんとなく思っていたことが小説に出てくると、とても嬉しい気持ちになりますね

 

 

いきなり自分の発明だと思ったことが小説の冒頭に出てきた

まだまだ先は長くどんな展開が待っているのか未知数

ただ、この小説を好きになることはこのときにすでに決められていたことでした

 

 

 

 

 

かわいそうなアレクセイエフ